歯車対が伝えるもの

歯車は、かみ合う歯面を通じて回転とトルクを伝えます。外歯車同士では回転方向が逆になります。歯数20の駆動歯車で歯数40の従動歯車を回す場合、従動側の回転速度は半分になり、損失を無視すればトルクは2倍になります。実際には歯面、軸受、シールなどで動力損失が生じます。

歯形は、指定した断面における歯の輪郭です。歯形だけでは製作条件は決まりません。図面にはモジュールの基準、歯数、圧力角、ねじれ角、転位係数、歯幅、材料、熱処理、精度および検査条件を示す必要があります。

モジュール・歯数と各円の意味

モジュールは歯の大きさを表します。平歯車の基準円直径は d = mz です。同じモジュールでも、歯数が異なれば直径は変わります。モジュールを大きくしただけで許容トルクが決まるわけではありません。

はすば歯車では、歯すじに直角な歯直角断面と、軸に直角な軸直角断面を区別します。歯直角モジュール mₙ を用いると mₜ = mₙ/cos β、d = zmₜ です。「モジュール2」という指定では、どちらの方式か確認してください。

基準円は基準寸法を定める円、基礎円はインボリュートを形成する円です。歯先円は歯先を、歯底円は歯底を通ります。本例の転位なし・歯直角並歯の条件では dₐ = d + 2mₙ、d_f = d − 2.5mₙ、d_b = d cos αₜ とします。基準円と、実際に転がり運動を表すかみ合いピッチ円は、常に一致するとは限りません。

インタラクティブ 01 · 円筒歯車

パラメータ変更と寸法の関係

モジュール、歯数、ねじれ角を選び、基準円と歯先円を比較します。外歯車、転位なし、歯直角標準並歯を仮定します。

歯先円 dₐ基準円 d基礎円 dᵦ歯底円 d𝒻

歯先円は同じ中心と半径 dₐ/2 で描き、歯先を円弧でつなぎます。歯元遷移は工具創成曲線ではなく模式形状です。はすば歯車は側面図ではなく正面投影です。

全計算結果と計算式
図の見方?

歯先円は歯の先端、基準円は寸法計算の基準、基礎円はインボリュートの生成基準、歯底円は歯溝の底を表します。それぞれ役割が異なります。

圧力角・ねじれ角・バックラッシ

圧力角は歯面法線の方向に関係し、接線力と分離力の割合に影響します。大きくすれば設計全体が必ず有利になるわけではなく、かみ合い率、軸受荷重、騒音なども確認します。

ねじれ角を付けると徐々にかみ合う効果が得られますが、軸方向力も発生します。歯幅を広げても、軸やケースがたわめば歯幅全体で均等に荷重を受けられません。

バックラッシは、かみ合う歯面間のすきまです。歯先と歯底の頂げきや、精度等級とは異なります。転位は歯厚や歯元形状を変えるため、対になる歯車と合わせて検討します。画面の歯元のつなぎ部分は模式的なもので、加工用輪郭には使用できません。

まがりばかさ歯車の基準はピッチ円すい

軸角90°のかさ歯車では、両ピッチ円すいの頂点を共通にします。大端の軸直角モジュール mₑ に対して d₁ = mₑz₁、d₂ = mₑz₂、δ₁ = atan(z₁/z₂)、δ₂ = 90° − δ₁、外端円すい距離 Rₑ = √(d₁² + d₂²)/2 です。歯幅は円すい母線に沿って測ります。

歯幅中央では Rₘ = Rₑ − b/2 とし、直径を Rₘ/Rₑ 倍します。本例は b ≤ Rₑ/3 に制限します。取付距離、歯たけ配分、カッタ条件、歯当たりは求めません。効率は入力した仮定値であり、予測結果ではありません。

インタラクティブ 02 · まがりばかさ歯車

交差軸 90°:ピッチ円すいを定め、回転速度とトルクを確認

外端正面モジュール mₑ で寸法を定義し、歯幅はピッチ円すい母線に沿って測ります。節円すいと平均断面を計算し、円筒歯車の外径式で歯先を推定しません。

幾何形状・荷重・動力の計算
外端と平均断面を区別」

かさ歯車は内端に向かって小さくなります。外端直径と平均直径は異なり、ここでは平均直径から接線力を求めます。βₘ は平均歯直角モジュールを変えますが、外端正面モジュール一定ならピッチ円すい寸法は変わりません。

軸オフセットはゼロ、90° 軸角と理想ピッチ円すい、保守的制限 b ≤ Rₑ/3。幾何関係の出典: S21。歯末たけ配分、歯底円すい、カッタ条件、取付距離、歯当たりは計算しません;η は仮定値で、効率の予測ではありません。軸力・半径力は歯面、ねじれ方向、回転方向から別途計算します。

透明モデルで観察: 3D 歯車箱:交差軸の運動 →

遊星歯車は固定要素で減速比が変わる

基本構成は太陽歯車、遊星歯車、内歯車、キャリアです。同一モジュールの標準的な配置では z_r = z_s + 2z_p。速度関係はウィリスの式 z_s(n_s − n_c) + z_r(n_r − n_c) = 0 に従います。

等間隔に配置する場合は組立位相条件と遊星歯車同士のすきまも確認します。条件を満たしても、強度や荷重の均等分担が保証されるわけではありません。キャリア剛性、加工誤差、軸受配置などが影響します。

参考文献

参考文献 (43)

原典の題名とリンクを掲載しています。公開要約は正規の規格全文の代わりにはなりません。

  1. S01ANSI/AGMA 2101-E25
  2. S02ANSI/AGMA 2003-D19 (R2025)
    2019/2025 再確認参考文献 ↗
  3. S03ISO 6336-1:2019
    2019/2025 確認参考文献 ↗
  4. S04ISO 10300-1:2023
  5. S05Calculation of Gear Dimensions
    基礎技術參考参考文献 ↗
  6. S06From Gear Mesh to System: Advanced Prediction of Transmission Error
  7. S07A Review on Gear Transmission Error
  8. S08Non-destructive analysis of surface-induced fatigue: Characterisation of micropitting and crack formation
  9. S09平行軸高接觸率正齒輪系統的動態受載齒面接觸分析
  10. S10動態負載下修整型行星齒輪傳動機構嚙合齒面接觸特性研究
  11. S11Preload design for a tapered roller bearing pair
    公開工程案例参考文献 ↗
  12. S12Axial load carrying capacity
    2007/基礎技術參考参考文献 ↗
  13. S13Seal analysis pays
    1995/基礎技術參考参考文献 ↗
  14. S14How To Replace Oil as a Lubricant in Worm Gearboxes With Grease
  15. S15Analytical efficiency calculation for grease lubricated worm gears
  16. S16Decades in the Making: ANSI/AGMA 2101-E25
  17. S17具齒廓修形內嚙合非圓形齒輪創成之方法建立與其傳動誤差分析
    2018/術語對照参考文献 ↗
  18. S18傘齒輪齒胚與工程圖之 SolidWorks 自動建模方法之研究
    113 學年度参考文献 ↗
  19. S19螺旋齒輪的模數與加工
    基礎用語參考参考文献 ↗
  20. S20遊星歯車機構|行星齒輪機構
    基礎機構參考参考文献 ↗
  21. S21Gear Mathematics for Bevel & Hypoid Gears, Chapter 2
    2015/基礎幾何参考文献 ↗
  22. S22齒輪技術入門篇
    基礎教材/版本年份未標明参考文献 ↗
  23. S23傳動鏈強度計算原理|沈佳駿、蔡錫錚、莊啟佑、許桓維
  24. S24傳動系統之齒輪修整分析|黃礪德、曹嘉、曾瑞堂
  25. S42From Gear Mesh to System: Advanced Prediction of Transmission Error
  26. S43國光牌一號多效滑脂
    產品資料参考文献 ↗
  27. S25Hardness Testing Machines Overview E17001(6)|鋼硬度換算表
    2026-03 型錄参考文献 ↗
  28. S26Technical Pocket Guide STT|Engineering materials 硬度比較表
    手冊公開版/基礎參考参考文献 ↗
  29. S27ISO 18265:2013|Metallic materials — Conversion of hardness values
    2013/2024 確認参考文献 ↗
  30. S28SAE J417_201801|Hardness Tests and Hardness Number Conversions
    2018 穩定化/1983 修訂参考文献 ↗
  31. S29Atmospheric carburising
    公開製程說明参考文献 ↗
  32. S30DIN 3990-1:1987-12|圓柱齒輪承載計算:基本原理與影響因子
    1987/查核日標示 CURRENT参考文献 ↗
  33. S31DIN 3990-5:1987-12|耐久極限與材料品質
    1987/查核日標示 CURRENT参考文献 ↗
  34. S32DIN ISO 1328-1:2018-03|圓柱齒輪齒面公差分類
  35. S33JIS B 1755:1999|正齒及斜齒輪承載:材料強度與品質
    1999/2025-10-20 確認参考文献 ↗
  36. S34JIS B 1702-1:2016|圓柱齒輪齒面偏差與精度
    2016/2021 確認参考文献 ↗
  37. S35JIS B 1705:2013|傘齒輪齒隙
    2013/2023 確認参考文献 ↗
  38. S36ANSI/AGMA 2008-D11|Assembling Bevel Gears
  39. S37Gear Mesh Assembly|Robert F. Wasilewski, Arrow Gear
  40. S38Gear mesh, NVH Evaluation
  41. S39JIS B 1759:2019|塑膠圓柱齒輪彎曲強度評估
    2019/2024 確認参考文献 ↗
  42. S40DIN 3990-2:1987-12|齒面點蝕承載評定
  43. S41DIN 3990-3:1987-12|齒根承載評定